








「セイヨウミツバチの自然養蜂」用に「赤い屋根の巣箱」を作りました。
また、本体側面には、角材が4箇所取り付けられています。上の角材は主に本体を移動させる際に持つためのものです。下の角材は主に側面の板材が曲がるのを防ぐためのものです。
ところで、この「赤い屋根の巣箱」には、本体と採蜜箱の裏面に観察用の窓があります。観察をする時に白色のアクリル板を外します。
この観察窓はペアガラス(ただしアクリル板)になっています。熱の出入りを防ぐ効果があると考えています。
さて、この巣箱は、底箱・本体・採蜜箱・蓋・屋根から構成されていますが、その内本体と採蜜箱と蓋の被せには、「相欠きつぎ」相当の工法を用いています。
真っすぐ上から被せるとしっかりとはまります。この工法により、外側から当て板を使って固定したり、ビスで固定しなくても良くなり、また持ち上げるだけで分離できるようになります。
底箱と本体の合わせ部分は、敢えて加工はしていません。底箱の上に本体を重ねる際は、まず少しずらして重ね、本体を滑るように動かして底箱に重ねます。こうすることで、蜂を挟み込むことが少なくなります。
スズメバチ捕獲器もこの「赤い屋根の巣箱」用に作りました。捕捉空間を2段にしています。
捕捉空間の前面はアクリル板を使っています。捕捉空間の前面が金網の場合、捕捉空間にいるスズメバチに向かってミツバチが戦いに行くことがあり、ミツバチが多数殺されることがあります。そこで、アクリル板で上下を遮断しました。
このアクリル板には、高さ6mm幅10cmの切り欠きがあり、オオスズメバチは通れませんがミツバチは雄バチも含めて通れます。アクリル板は、上方へ引くと取り外せます。スズメバチを取り出すのが容易です。
「赤い屋根の巣箱」は、様々な機能を備えていますが、実際にそれらの有効性が検証できるよう、また、巣箱自体の耐久性と言う点でも検証できるよう、ミツバチが新居を必要とする季節が来るのを待ち遠しく思います。
9月9日のブログ「改良スズメバチ捕獲器を検証」では、スズメバチ捕獲器を2段から3段に改良したことで、「昨年までよく起きていたのですが、2段目でスズメバチにたくさんのミツバチが殺されると言うこともありませんでした」と書いたのですが、9月18日、その恐れていたことが起きてしまいました。2時間弱外出して帰宅すると、5群に設置しているスズメバチ捕獲器の2段目の中で、オオスズメバチとミツバチが戦っていました。既にたくさんのミツバチが殺されているようです。
捕獲器を外して、死んだミツバチを取り出しました。
殺されたミツバチの数を数えてみると、102匹でした。
スズメバチ捕獲器を2段から3段にしていても、安心できないことが分かりました。ただ、3段にしていることで、このような事態が起きるリスクが少なくなっているとは思うのですが。
ところで、3段に改良したスズメバチ捕獲器は5群の他にも、2群・4群・6群に設置しているのですが、5群は他の群とは違って、巣門の周りにより多くの働きバチが待機しています。また、過去にコガタスズメバチを倒しています。5群が、積極的に戦いに挑む態勢でいることが、今回の事態を招いたのかも知れません。
8月29日に改良スズメバチ捕獲器を設置(市販の2段式を3段に改良)しましたが、11日経った今日9月9日、その結果を見ることにしました。
既に9月6日からはオオスズメバチが飛来しなくなっており、コガタスズメバチの飛来も少なくなってきました。ですから、今日結果を見ることにしたのは、これ以上、捕獲器の有効性を検証する機会を延ばしても、検証の結果は変わらないように思えたからです。
2群に設置の場合:
4群に設置の場合:
5群に設置の場合:
6群に設置の場合:
これらの様子から、改良して取り付けた3段目により多くのスズメバチが入ったことが分かります。このことから、2段目から3段目に繋がる通路の構造が適切であったと言えます。また、昨年までよく起きていたのですが、2段目でスズメバチにたくさんのミツバチが殺されると言うこともありませんでした。
この改良スズメバチ捕獲器は有効なようです。
ちなみに、市販の3段式の捕獲器も機能していました。
9月4日に引き続き、キイロスズメバチを捕獲しました。また、初めてヒメスズメバチを捕獲しました。いずれもミツバチを狩りに来ていました。
ヒメスズメバチは、スズメバチ巣駆除器の中で、毒蜜を少し飲んだようです。後に放ちました。
午前中の実験に引き続き、フィプロニルの遅効性について実験をしました。
1例目:
2例目:(1例目より小柄)
もう1匹、実験対象にしました。こちらもオオスズメバチです。
2例目は、19時44分時点で既に排泄をしていました。1例目は19時52分に排泄をしました。
この時点で、2例共にフィプロニルの効果が現れているようです。更に20分後には、自由に歩けなくなっていました。
1例目は16時20分頃、2例目は18時ごろに毒蜜を飲んでいますから、服毒には1時間40分ほどの時間差があるわけですが、症状はほぼ同じ頃に現れたことになります。
薬効が現れるまでの時間は、1例目ではほぼ3時間30分、2例目は1時間45分となります。午前中に行ったコガタスズメバチの場合は、2時間強でしたので、薬効が現れるまでの時間は様々であることが分かります。
何れにせよ、2時間程度は薬効が現れないのなら、その間に、帰巣したスズメバチから仲間に毒剤が広がるのでしょう。
この後、22時ごろまで観察を続けましたが生きていました。翌日になって、死んでいるのを確認しました。
スズメバチ巣駆除器で使う駆除剤には、フィプロニルが含まれているのですが、その特性として遅効性があります。では、この遅効性とはスズメバチの場合、どの程度の時間なのでしょうか。ここで使う駆除剤は、「アース ハチの巣コロリ スズメバチ用駆除エサ剤」です。
9月5日、コガタスズメバチを1匹捕らえて、巣駆除器の中に入れました。
12時頃まで時々観察していましたが、特に異常な動きはありませんでした。12時から食事をとっていたのですが、12時38分に見ると、その場で動かなくなっていました。ただ、死んでいたわけではなく、脚がピクピク動いていましたし、刺針を出入りさせていました。全く動かなくなったのは、それから数分後でした。
このコガタスズメバチは、9時50分ごろに毒蜜を飲み始め、12時40分ごろに死にました。その間は、2時間50分になりますが、12時頃までは異常ではなかったとすると、だいたい2時間強で薬効が現れたのでしょう。
遅効性の要素としては、摂取した量に因る他、変温動物ですので気温にも因るでしょうし、その間の活動量にも因ると思いますので、このようなだいたいの時間でよいでしょう。