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赤い屋根の巣箱で Ⅱ型280mL大気圧蜜器を使う

6月4日、分蜂した赤い屋根の巣箱Cの46群に、蜜を与えることにしました。果糖を主としてサトウキビ糖と微量の天然塩をブレンドして作りました。その約75mLをⅡ型280mL大気圧蜜器に入れ、巣箱Cの巣板用のすのこの上に載せました。

Ⅱ型280mL大気圧蜜器に75mLの蜜を入れた
巣箱Cの46群に与えた 6月4日10時59分撮影

それから、3日後の6月4日に内検すると、蜜はなくなっていました。

6月7日15時15分撮影

今回は、Ⅱ型280mL大気圧蜜器で給餌ができるかどうか、またミツバチに安全に給餌ができるかどうかを確かめるのが目的でした。問題はなさそうです。

蜜器台を使う

2月24日にⅢ型500mL大気圧蜜器を試用しましたが、今日は、昨日作成した設置台の上にその蜜器を置いて給餌しました。

設置台の上面はアクリル板です。これは繰り返し水で洗えるようにするためです。下の写真を見るとわかるのですが、アクリル板に汚れが付いています。この汚れは、蜜そのものです。蜜を吸引する際に肢や翅に蜜が付き、その蜜がアクリル板に付くのです。

このため、繰り返し洗えるようアクリル板を使いました。このアクリル板は、上面に固定しているのではなく、ただ被せているだけですから、簡単に取り外せます。
アクリル板は、寒い季節は黒色を、暑くなると白色を使います。特に黒色のアクリル板を使うのは、保温のためです。寒い季節では、蜜が翅について飛べなくなって蜜場に留まっていると、その内に体温が下がり、全く飛べなくなります。そして冷死してしまいます。黒色のアクリル板を使うのは、そのリスクを軽減するためです。

ところで、話は変わるのですが、こんな風景を見ました。

この場所は、昨日まで蜜器で給餌をしていた場所です。ただし、蜜器の下に敷いていた板は外して、この巣箱の本来の天板に変えています。ですから、この天板には蜜の汚れはないのですが、それでもミツバチが集まってきていました。今日の給餌場所はその近くです。

奥の巣箱の上が、昨日まで給餌していた場所

このことから、ミツバチは蜜を見つけて仲間を呼んだわけではなく、昨日までの蜜の場所を覚えていたことになります。自然界の花の場所も一晩置いても覚えているのでしょう。

蜜器台の設計図 Ⅲ型500mL大気圧蜜器が3個まで置ける

新たな大気圧蜜器

昨年の12月23日に紹介した大気圧蜜器は、寒くない季節での使用には問題はなかったのですが、冬場に屋外で蜂蜜を与えると、蜜を飲む箇所の4mm幅の隙間で死んでしまうことがありました。冬場の蜂蜜は粘度が高く、また夕刻気温が下がるため、隙間から出られなくなるようです。

大気圧蜜器で蜂蜜を飲むミツバチ 蜜がたまる箇所の底まで入り込んで蜜を飲んでいる
こんな風に4mm幅に入ったまま出られなくなって死んだようだ

そこで、新たな大気圧蜜器を作ることにしました。現在「セイヨウミツバチの自然養蜂」用に新たな巣箱を製作しているところですが、その巣箱の中で使えるように設計し直しました。最も主要な設計の要件は、蜜器の高さを45mm以内にすることです。そのため、形を横に広げて容積を確保したのですが、それに伴い、ミツバチが蜜を飲む部分が4倍の広さになりました。また、蜜がたまる部分の幅を4mmから3mmに縮め、働きバチが溝に入れないようにしました。

新たに作った大気圧蜜器 蜜がたまる部分の幅は3mmだ
口吻をいっぱいに伸ばしている 頭部は3mmの幅に入るようだ

ところが、新たな問題がありました。蜜がたまる部分の外枠の高さが10mmで、蜜が出てくる切り欠きの高さが5mmですので、蜜が一杯に貯まれば飲み易いのですが、蜜がなくなりかければ、底が10mm先にあるので、口吻をいっぱいに伸ばしても飲めないことを見落としていました。また、蜜器の高さが低いため、切り欠きから流れ出る流動圧力が低く、粘度が高い蜂蜜の場合、流れ出るのに時間がかかり過ぎることも分かりました。
そこで、蜜が貯まる幅を逆に広くして5mmとし、上部にもシリコン栓で開け閉めができる穴を追加しました。

改良した大気圧蜜器 上部のシリコン栓を開け閉めして蜜が流れ出る単位時間当たりの量を加減した
かなり楽に蜜を吸引している 胸部も幅に入っている

この蜜器は、底面積が5cm×20cmで100㎠あります。そこで、高さ0.1cm当たりの容積は10㎤になり、蜜器の高さは2.8cmありますから、満容量は280mLとなります。
この蜜器を「Ⅱ型280mL大気圧蜜器」と名付けることにしました。

33群の女王バチを小型容器に収容

昨年の11月2日のブログ「三度の逃去」で落ち着いていた33群ですが、1月28日の朝、異変がありました。巣箱の近辺に動かなくなったミツバチの働きバチが多数いました。地面にとまる姿勢で動かなくなっていて、触るとまだかすかに動く個体もありましたた。明らかに死体を仲間が巣箱の外へ運び出したのではないことが分かります。

岩の上などに動かない多数の働きバチがいた 2022年1月28日8時43分撮影

思い当たることがありました。前日、この33群の巣箱の辺りを飛んでいるミツバチがいたのを思い出しました。いつもになく活発に活動しているようでした。もしかすると盗蜜だったのかも知れません。
15時半ごろ、33群の巣箱を見に行くと、やはり、ミツバチが活発に巣門を出入りしていました。

巣門を出入りするミツバチ 1月28日15時28分撮影

ふと、直ぐ近くの岩を見た時、そこに女王バチがわずかな働きバチと共にいるのに気づきました。

近くの岩に女王バチがいた 15時29分撮影

これで、盗蜜が確定しました。巣箱を開けることにしました。

巣箱には僅かに2枚の巣脾を入れている
外側の巣脾 この巣脾は元々空巣脾だ
箱側(内側)の巣脾 12群から蜜巣脾を入れていた
上の写真の拡大写真
死んでいる働きバチが目立つ

女王バチと女王バチを取り囲んでいた僅かな働きバチを容器(スズメバチ巣駆除器)に入れ、それから巣蜜(箱側の巣脾から)を入れ、更に盗蜜に飛来してきていたミツバチを入れました。

スズメバチ駆除器の中 16時34分撮影
中央が女王バチ 16時39分撮影
中央が女王バチ 16時47分撮影

他の巣の働きバチを容器の中に多数入れたのですが、当初から争いは見られませんでした。女王バチ側も、盗蜜に飛来した側も互いに馴染んでいるようでした。

今日1月29日、容器の中は安定しているように見えます。

中央が女王バチ 1月29日9時53分撮影
室温が20℃を越え、活発に動き回っている 10時47分撮影

大気圧式蜜器で給餌

12月23日、ミツバチに蜜器を使って市販の蜂蜜を給餌しました。
この蜜器は、大気圧式で、ミツバチが蜜を吸うと少しずつ蜜が流れ出す仕組みになっています。体や翅に蜜が付着し難くなっているので、飛べなくなるリスクが少なくなります。

12月23日11時24分撮影

この日の最高気温は12.2℃で、写真を撮った時刻には晴れていて、気温は9℃台でした。