前回の4月13日に引き続き、内検をして底箱の様子を観察しました。既に、この春2回目のヘギイタダニ駆除を開始して、16日が経っています。結果としては、4群共にヘギイタダニの死体は、目視できませんでした。
10群(オリジナル10枚巣箱)



11群(ニホンミツバチ用の巣箱 重箱式)
4月13日の内検の時には、ヘギイタダニの死体がありました。



46群(赤い屋根の巣箱C)
4月13日の内検の時には、ヘギイタダニの死体がありました。



54群(巣枠入りの縦長式の巣箱)



前回は3月27日に飼育箱の底の様子を観察しています。それから17日後の4月13日、引き続き飼育箱の底の様子を観察しました。
この間、3月31日には6週間が経過したアピバールを取り出し、4月12日にはアピスタンを投与しました。このように立て続きでヘギイタダニの駆除剤を使用することは、これまでしたことがないのですが、どのような効果が得られるか試したいと思っています。
10群(オリジナル10枚巣箱)
ヘギイタダニの死体は見当たりませんでした。巣箱の中で雄バチが多数死んでいて、巣箱の外でも雄バチの死体が目立ちました。
11群(ニホンミツバチ用の巣箱 重箱式)
ヘギイタダニの死体がありました。
46群(赤い屋根の巣箱C)
ヘギイタダニの死体がありました。
54群(巣枠入りの縦長式の巣箱)
54群は10群と同様に、雄バチに異状が見られたのですが、この2つの群のもう1つの共通点はヘギイタダニがほぼいないと考えられることでした。群の勢いが増す過程で雄バチの生産が過剰気味になっていたのかも知れません。
10群
10群は一時的に市販の巣箱に入れていましたが、オリジナルの10枚巣箱に戻しました。その際、市販の巣箱の底の様子を調べました。
ヘギイタダニ駆除剤(アピバール)を投与して3月31日で6週間になります。3月27日は駆除剤を取り外すほぼ直前の日ですが、ヘギイタダニの死体は極く僅かのようです。このことから、ダニはほぼ駆除できていると考えられます。
この写真にはスムシが2匹写っています。また、かなり多くのミツバチの卵が落ちています。
11群
11群の巣箱はニホンミツバチ用の巣箱で、重箱式です。最後に底箱を交換したのがいつだったのか記録していませんが、かなり長い間、恐らくは短くても昨年の秋ごろ以降交換していません。元々の底箱は高さが長く、巣板が底箱の中まで伸びてきていたため、もう1つの自作の高さ4cm(内法)の底箱が使えなかったのです。今回底箱を交換するにあたり、巣板の下端を切り取って、巣板が底箱の底面に触れないようにしました。
底箱を交換することでスムシは駆除できたと思いますが、ヘギイタダニはまだかなりの数、生き残っているかもしれません。(10群同様にアピバールを3月31日まで投与中)
46群
赤い屋根の巣箱Cの底箱の様子です。
かなり多くのヘギイタダニの死体が見えます。ヘギイタダニはまだかなりの数、生き残っているかもしれません。。(10群同様にアピバールを3月31日まで投与中)
54群
54群は、縦長式の巣箱の中に巣枠を入れて飼育していますが、その巣枠に巣板を固定するために麻紐を使っていました。その麻紐をミツバチが食いちぎって底箱に落としていました。
食いちぎられた麻紐は、底箱の中央にまとめられていましたが、麻くずの中に多数のスムシがいました。
幸いなことに、ヘギイタダニはほぼいないようでした。今飼育しているセイヨウミツバチ4群の中で、もっとも勢いが良いのがこの54群ですが、ヘギイタダニがほぼいなかったからなのでしょう。(10群同様にアピバールを3月31日まで投与中)
赤い屋根の巣箱B(45群)については、昨年の12月10日から分かっていたようにヘギイタダニの被害がかなり進んでいました。
それに先立つ昨年の9月3日からはアピスタンを投与していましたが、45群には十分には効果が得られなかったようです。2月17日からもダニ駆除剤(アピバール)を投与しましたが、既に手遅れだったようです。
何日も前から45群が崩壊していることに気づいていましたが、3月11日、箱の中を開けてみました。案の定、45群は崩壊していました。
昨年の12月10日に、赤い屋根の巣箱のB(45群)とC(46群)の底箱をスペアと交換することで底箱を清掃しました。
今日(1月20日)は、前回と同じように赤い屋根の巣箱のBとCの底箱をスペアと交換しました。
両群共に、絶滅はまだ免れているようです。
越冬に向け、赤い屋根の巣箱で、今年最後の底箱交換を行いました(赤い屋根の巣箱Aは既に崩壊)。
8月26日にヘギイタダニを調べる器具を50群の底箱に設置しておきました。その器具をほぼ1週間後の9月3日に取り出しました。
小さな点が多数見えますが、近くで見るとそれらはヘギイタダニでした。
ダニ駆除剤は入れていないにも関わらず、これだけたくさんのヘギイタダニが1週間程度で落下したのですから、巣箱の中には今もとても多くのダニがいることがわかります。
この日、アピスタンを飼育中の全ての巣箱に投与することにしました。一般的な巣枠で飼育している群が5群、重箱式が1群、縦長式が1群、そして赤い屋根の巣箱が3群、の計10群が対象です。
上の写真のように、赤い屋根の巣箱にも懸垂型の駆除剤が使えました。
8月26日のブログ「相次ぐ真夏の崩壊」で8月に4つの群が崩壊したことを書きましたが、9月2日には、12群が崩壊しているのが分かりました。
実はその崩壊が分かる前に、次のような光景を目にしていました。
12群の東隣りには10群の巣箱を置いているのですが、その巣箱の天板の上にネズミ捕りシートを置いていました。そのネズミ捕りシートに1匹の働きバチと女王バチが捕らえられていたのです。まだ2匹とも元気でした。なぜこんなところに女王バチがいるのでしょう。この女王バチはどこから来たのでしょうか。
そこで、西隣りの12群の巣箱を開けたのですが、その時、この12群が崩壊しているのが分かったのです。確言はできないものの、この女王バチは12群の女王バチだったのでしょう。
12群の巣脾を見ると蜜がたくさんありました。ただ、蓋がかかっている巣房の中には穴が空いている巣房がありました。
巣箱の底はきれいで、ヘギイタダニなどの死体は見つかりません。
8月26日のブログでは、「8月に4群が崩壊してしまったのですが、何れも貯蜜がありましたので、蜜切れで餓死したわけではありません。個々の崩壊がそれぞれなぜ起こったのかは、分からないままになりました」と書きましたが、今回は群の崩壊の原因をヘギイタダニの可能性から調べることにしました。
蓋のある巣房を崩してみると、ヘギイタダニが見つかりました。
巣箱に小型のアリがやって来ていたのですが、巣房を崩すとその中に居たヘギイタダニを狩っていました。ヘギイタダニの死体が巣箱の底になかったのは、こうしてアリが巣へ運んで行ったからなのかも知れません。
驚いたことは、まだ幼虫の段階の1つの巣房の中に複数のヘギイタダニがいたことです。しかも、それが多くの巣房で見られました。
ダニの駆除剤の説明では、1つの巣房に1匹のヘギイタダニが入るように読み取れますが、この崩壊した12群はそうではないのですから、恐らく蓋のある巣房の数よりもダニの個体数の方が多くなっていたのでしょう。12群はダニで末期状態になっていたようです。
蓋のある巣房を20個調べてみました。その結果は、ヘギイタダニが居なかったのは11個で、居たのは9個でした。45%の有蓋巣房にヘギイタダニが居たことになります。
8月に崩壊した4つの群も、恐らく多数のヘギイタダニに寄生されたのが崩壊の原因だったのでしょう。
崩壊後、ミツバチの死体が巣箱の中に残っていないのは、群ごと巣を捨てて出て行ったからなのでしょう。冒頭で書いたように、ミツバチの女王バチがネズミ捕りシートで見つかったのも、8月9日の夕刻、51群周辺をいつもになく多めのミツバチが飛び交っているのを目撃したのも、群ごと巣を捨てて出て行ったからなのでしょう。