アリアトールを砂糖水に混ぜてスズメバチに与える方法が成功したので、スズメバチ駆除器を使うのは止めることにしました。9月23日と24日に引き続き、25日から10月30日までアリアトールを使いました。以下の表は、アリアトールを与えて放した個体数です。

アリアトールを砂糖水に混ぜてスズメバチに与える方法が成功したので、スズメバチ駆除器を使うのは止めることにしました。9月23日と24日に引き続き、25日から10月30日までアリアトールを使いました。以下の表は、アリアトールを与えて放した個体数です。
その翌日(10月30日)の朝になっても、33群の蜂球はそのままでした。
この日の朝は、秋になって最低気温が2番目に低い7.7℃(岡山地方気象台観測値)の冷え込みになっていて、働きバチの低温死が心配でした。蜂球の下を見ると、働きバチが3匹死んでいました。ただ、低温死によるものかどうかはわかりません。
33群は、今日の内に元の巣箱に戻るのではないかとの期待がありましたが、別の場所に巣箱があれば、その巣箱を新居にするのではないかとも思いました。そこで、蜂球にできるだけ近い、斜面の中の平地に元の巣箱と同仕様のニホンミツバチの巣箱を置きました。底箱は、28日に入れ替えて使った底箱です。
少し温かくなる頃、33群の元の巣箱を訪れる働きバチがいました。その働きバチがどこの群から来ていたのかは不明です。
11時45分に気づいた時には、既に蜂球は完全になくなり、ミツバチが斜面と平面を飛び交っていました。
そこで、斜面の平地に置いていた巣箱を、飛び交っている空間の中に移動しました。
ですが、まもなく飛び交うミツバチが少なくなり、イチジクの主枝を見ると、三度蜂球を作り始めていました。
13時過ぎ、気づくとまたもやミツバチの群れが飛び交っていました。イチジクの主枝には蜂球はありませんでした。
やがて、飛翔の群れは庭の東方面に多く見られるようになりました。そちら方面を調べてみると、八朔の木の横にあるキイチゴ(ウルトララズベリー超大王)に蜂球を作りつつありました。
33群が元の巣箱に戻らないことが分かったので、捕獲することにしました。巣箱は斜面の平地に置いていたのを使いました。
キイチゴの枝を切って蜂球を崩さないで巣箱の底箱に入れようとしましたが、枝を地面に落としてしまいました。その枝にはミツバチがまだたくさん付いていましたので、ミツバチを枝ごと底箱に入れました。そして、底箱に巣箱の本体を被せ、ぴったり合わせずに少しずらしておきました。
枝から地面に落ちたミツバチの中に女王バチを見つけたので、手箒に乗せて巣箱に入れようとしましたが、女王バチは飛び去ってしまいました。辺りを探しましたが、女王バチは見つかりませんでした。
そうこうしている内に、巣箱の本体と底箱の隙間で、たくさんの働きバチが仲間を呼ぶ誘引活動を始めました。女王バチは、飛び去ったあの時、巣箱の本体と底箱の隙間から巣箱の中に入ったのかも知れません。本体を底箱に合わせておきました。
落ち着いた頃を見計らって、巣箱を新たな飼育場所に設置しました。そこは、池のほとりで、元の巣箱の設置場所からは、直線距離で17m程離れています。
10月29日の15時過ぎ、33群の巣箱から次々と働きバチが出て来ていました。巣箱の近くにはたくさんのミツバチが飛んでいました。
特に5群の巣箱辺りをたくさんのミツバチが飛んでいました。
33群の巣箱はもう空っぽのようです。
5群の巣箱に近づいてみると、スズメバチ捕殺器の上に女王バチがいました。
その後女王バチを見失いましたが、昨日蜂球を作っていたイチジク(ヌアールK)の主枝に女王バチがいて、蜂球ができ始めていました。
なぜ再び、33群は巣箱を飛び出したのでしょうか。そして、昨日と同じ場所に蜂球を作ることになったのでしょうか。
午前中、33群の巣箱を出入りする働きバチの様子を観察していましたが、適度な数の働きバチを見ていました。しかし、その中に他の群のミツバチがいたのかも知れません。この逃去は「退避」なのでしょうか。
昨日、庭で見つけた蜂球を収容しましたが、この群が分蜂なのか、逃去なのかを調べたいと思いました。逃去なら、巣箱に働きバチが残っていないはずだと考え、今朝の時点で巣箱を出入りする働きバチがいなかった弱小の群(4群・13群・21群)の巣箱を調べましたが、どの巣箱の中にも働きバチがいました。分蜂なのかどうかは調べようがありませんでした。結局、この新たに収容した33群の出所は分からないままです。
この調べ事をする前の朝一番に、大気圧式蜜器の中に150mLの蜂蜜を入れて、33群の巣箱の底箱の中に入れておきました。この弱小の群の巣作りを助けたいとの思いからでした。
ところが、それが仇となりました。気づくと33群の巣箱にたくさんのミツバチがやって来ていました。その多さから、このミツバチたちが他の群の働きバチだとわかりました。底箱の中の蜂蜜を見つけたのでしょう。
巣箱を開けて見ると、とても多くのミツバチが蜜器に集っていました。なぜか、蜜器の大気圧の仕組みが機能せず、蜜が底箱にも多量に流れ出ていました。そこで、底箱をスペアの底箱と入替え、蜜器は庭の岩の上に置きました。
午後になると、33群の巣箱を出入りするミツバチは極く少なくなっていました。心配なのは、この「騒ぎ」で33群はどうなったかです。取り出した底箱や33群の巣箱の近辺には、そう多くはなかったのですがミツバチの死体がありました。
そこで、巣箱を持ち上げて下から覗くと、ミツバチはいませんでした。逃去していたのです。巣箱を片づけながら、それでももしかすると庭のどこかに留まっているかもしれないと思い、庭の斜面を見ていると、イチジク(ヌアールK)の主枝に蜂球がありました。
そこで、再度収容しようと思い準備をしていると、いつの間にか斜面の上空を多数のミツバチが飛んでいました。イチジクの主枝の蜂球はなくなっていました。
庭の平地にもミツバチが多数飛んでいました。
33群用に設置しておいた巣箱はほぼ片づけていたのですが、再度元の場所に持って行き設置しました。
すると、この巣箱の巣門に吸い込まれるかのように働きバチが降り立ちました。
そして、たった1分後には巣箱を覆うようになりました。
このミツバチたちは、そもそも初めから元の巣箱に戻ろうとしていたのでしょうか。
まもなく、落ち着きを取り戻し始めました。
この小さな群でも門番がしやすいように巣門を狭くしておきました。
今日、33群が取った逃去行動は、「退避」と言えそうです。33群は小群であったため、他の群が巣箱に入り込んで来るのを防ぐことができず、巣箱を放棄して野外で一時的に蜂球を作ったのでしょう。推察になりますが、私が巣箱を片づけ始める前に巣箱の様子を偵察した働きバチが、仲間に「もう大丈夫」と知らせたのでしょう。それで、蜂球を解き元の巣箱に向かったのでしょう。そして、私が再設置した巣箱に戻ったのでしょう。
だとすると、33群が行った「退避」は、昆虫とは思えないほどとても「賢い」行動です。
スズメバチ駆除器に用いたフィプロニルには薬害が生じるまでに遅効性がありましたが、アリアトールに含まれるアセフェート(商品名オルトラン)にも遅効性がありそうです。と言うのも、アリアトール入りの砂糖水を飲んだ直後にスズメバチを放していますが、帰巣時の飛び方には異状は見られません。
そこで、アセフェートの遅効性について調べてみることにしました。
アセフェートは、フィプロニルと比較すれば明らかに遅効性は弱いようです。ただ薬効が現れる時間の長短は、主に摂取した量に因ると思われますが、その他にも気温やその間の活動量にも因ることでしょう。
10月27日、13時を過ぎた頃、庭の斜面の上空にたくさんのミツバチが飛んでいました。天気が良いので、巣箱からたくさん出て来ているのだろうとも思いましたが、飛び方は分蜂の時のようでした。ただ、数は分蜂の時ほどは多くはありませんでしたし、それにこの季節だから分蜂ではないだろうとも思いました。
それからしばらくして、それでも分蜂があったのではないかと思い、庭の木に蜂球を探しましたが見当たりません。ところが、ふと、花壇の縁の岩を見た時、ミツバチの塊がありました。とても小さな蜂球です。
西洋ミツバチ用の自作の巣箱の予備がありませんでしたので、しばらく収容するか迷いましたが、ニホンミツバチ用の巣箱を使うことにしました。
収容中、女王蜂がいるかどうかは分かりませんでした。
いったいこの群れは、どこから来たのでしょうか。庭で飼育している西洋ミツバチの群からであることは確かですが、分蜂なのでしょうか、それとも逃去なのでしょうか。
この群を33群と名付けます。
17群は、今年の5月1日に5群から分蜂しました。その5群は、昨年2群から分蜂したと考えてます。
10月14日、17群の底箱替えをしていて、二様の働きバチがいることに気づきました。
腹部の色が異なっています。一見、ニホンミツバチのようにも見えますが、体格は西洋ミツバチと同じ大きさです。
西洋ミツバチにも多くの亜種がありますが、別の亜種の特徴が現れたのでしょうか。