「熱殺蜂球」と言えば、ニホンミツバチがスズメバチを死に至らしめる蜂球ですが、セイヨウミツバチには、その習性がないとされています。
8月1日、ふとセイヨウミツバチの5群の巣箱を見ると、巣門前で蜂球を作っていました。そのこと自体は時々あることですが、よく見るとスズメバチらしいハチが蜂球の中にいるようです。ほんのしばらくして、その蜂球の一部が芝生の上に落ちました。
その続きは観察していませんが、夕刻になって見に行くと、スズメバチが死んでいました。
このスズメバチはとても小柄で、コガタスズメバチだろうと思っていました。今日になって実体顕微鏡で頭部を見ると、やはりコガタスズメバチのようです。(オオスズメバチとコガタスズメバチの頭部での見分け方には2つの方法があります。1つは頭楯の下部がオオスズメバチは突起が2つ、コガタスズメバチは突起が3つです。もう1つは、2本の触角の付け根の間の形の違いです)
セイヨウミツバチが、小柄とは言えコガタスズメバチを倒したのですが、「熱殺蜂球」に因るものだったのでしょうか。そのようにも思えたのですが、別のようにも考えられることに気づきました。
スズメバチが襲ってきたのですから、ミツバチは集団で応戦したのでしょう。すると、スズメバチを複数匹で取り囲むことになります。それが蜂球になります。多くのミツバチから反撃されて、やがてスズメバチは死に至ります。問題は、その際、死因が「熱殺」であったかどうかです。
そのように考えてもう一度写真を見ると、この蜂球では熱が篭りそうにはありません。恐らく、コガタスズメバチを死に至らせたのは「熱殺」ではなかったのでしょう。
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