新たな大気圧蜜器

昨年の12月23日に紹介した大気圧蜜器は、寒くない季節での使用には問題はなかったのですが、冬場に屋外で蜂蜜を与えると、蜜を飲む箇所の4mm幅の隙間で死んでしまうことがありました。冬場の蜂蜜は粘度が高く、また夕刻気温が下がるため、隙間から出られなくなるようです。

大気圧蜜器で蜂蜜を飲むミツバチ 蜜がたまる箇所の底まで入り込んで蜜を飲んでいる
こんな風に4mm幅に入ったまま出られなくなって死んだようだ

そこで、新たな大気圧蜜器を作ることにしました。現在「セイヨウミツバチの自然養蜂」用に新たな巣箱を製作しているところですが、その巣箱の中で使えるように設計し直しました。最も主要な設計の要件は、蜜器の高さを45mm以内にすることです。そのため、形を横に広げて容積を確保したのですが、それに伴い、ミツバチが蜜を飲む部分が4倍の広さになりました。また、蜜がたまる部分の幅を4mmから3mmに縮め、働きバチが溝に入れないようにしました。

新たに作った大気圧蜜器 蜜がたまる部分の幅は3mmだ
口吻をいっぱいに伸ばしている 頭部は3mmの幅に入るようだ

ところが、新たな問題がありました。蜜がたまる部分の外枠の高さが10mmで、蜜が出てくる切り欠きの高さが5mmですので、蜜が一杯に貯まれば飲み易いのですが、蜜がなくなりかければ、底が10mm先にあるので、口吻をいっぱいに伸ばしても飲めないことを見落としていました。また、蜜器の高さが低いため、切り欠きから流れ出る流動圧力が低く、粘度が高い蜂蜜の場合、流れ出るのに時間がかかり過ぎることも分かりました。
そこで、蜜が貯まる幅を逆に広くして5mmとし、上部にもシリコン栓で開け閉めができる穴を追加しました。

改良した大気圧蜜器 上部のシリコン栓を開け閉めして蜜が流れ出る単位時間当たりの量を加減した
かなり楽に蜜を吸引している 胸部も幅に入っている

この蜜器は、底面積が5cm×20cmで100㎠あります。そこで、高さ0.1cm当たりの容積は10㎤になり、蜜器の高さは2.8cmありますから、満容量は280mLとなります。
この蜜器を「Ⅱ型280mL大気圧蜜器」と名付けることにしました。

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